ココロで感じたとりたち ~Great Nature&Birds~ | 飛べない蝉
  ♪明日はどんな生き物たちにあえるかな...
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2014.08.27

飛べない蝉

子供の頃は、ありふれたごく普通の子供だったので、昆虫といえば、カブトムシやクワガタムシが好きだった。

北海道にはカブトムシがいなかった(最近ではやはり人間の手によって持ち込まれた外来種が増えているそう)

から、もっぱらクワガタばかり追いかけて、やれ、でかいミヤマが採れた、ノコギリのクワが大きいのがいた、

などと夢中になっていたのだが、人生の物事を一通り経験した頃から、蝉にココロを惹かれるようになった。

今年もあちこで羽化や抜け殻、飛んでいる姿を見た。


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CANON S95 300x400

電気の屋外配線や・・・

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CANON S95 300x400

玄関前の高さ10cmくらいのところでも、早朝、羽化して羽がようやく硬化してきたものに出遭った。

蝉(アブラゼミ)は、およそ、6~7年地中で暮らす。そしてやっと地上に出てきて、3週間~1ヶ月の短い間に

人生最初で最後の大仕事である子孫を残す為の活動をする。

この繁殖行為をする為に昼間しきりに鳴いているのだが、この活動ができる個体はラッキーだ。


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CANON S95 500x375

毎年必ず見かけるのが、こういった羽化に失敗した個体だ。

両の羽が広がりきらずに硬化してしまったと思うのだが、これでは大空を飛ぶことができない。

長い間地中の生活をしてきて、いよいよ一生の集大成という時に、羽が使い物にならないなんて・・・

羽脈が緑色をしているので、羽化してまもないのだろうか、本来ならとっとと逃げてしまっているところだが、

鉢植えの下で見つけて、そのまま指にしがみついて離れない。

人間の世界ならば、何者かの力を借りて、目的を達することが出来たのだろうが、生き物の世界はそうはゆかない。

道路で逆さになってグルグル回っているもの、ベランダでひっくり返っているもの、今年も多くの蝉に余計なお世話をしてしまった。

でも、蝉の最後まで本能に忠実な生き様を見ていると、どうにも放っておけない自分がいる。

たとえそれが意味のないことだとわかっていても、どうか土の上で最後を迎え、新たな生命の一部になって欲しいとの思いからだ。

玄関先のモルタルの壁で生まれたセミ太郎よ、運悪く空を飛ぶことができなかったセミ太郎よ

どちらも紛れもなく穢れなき自然の一部だ。 きみたちが一生懸命に生きている姿はココロに響き、そして美しい・・・




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