2015.07.29
飛べなかった蝉
昼間は35℃、夜間も昼間の熱が籠もったままで大して涼しくならない灼熱地獄続き、
人間も生き物たちもヘロヘロ状態の首都圏です。
毎日、最高気温が~という予報が出ていますが、計測している場所が、とても普段生活してるコンクリートジャングルとは違い、
150cmくらいの高さで、風通しのよい日陰、地面が芝生・・・ などと、あまりにもかけ離れすぎているので、
実際の温度は更に高く、体感的には40℃はあるんじゃないかと思っています。
どうも、この一向に変わらない計測方法には疑問を感じますね。
鳥たちも、日中は日陰に隠れていたり、カラスなどは放熱のために口をあけて電柱などに止まっている姿を目にします。
ハシブトにしろハシボソカラスにしろ、黒色の羽衣は光を吸収しまくって、熱を生み出すわけですから、
相当熱くなると思うんですが、表面温度はどのくらいなんでしょうね。
さて、セミたちもいよいよにぎやかになってきました。
早朝、夕方にはヒグラシの声、アブラゼミやミンミンゼミは1日中聞こえてきます。
近所のセミの比率ですが、ヒグラシ5、アブラゼミ4、ミンミンゼミ1・・・ こんな感じですね。
と、下書きした時からすっかり様子が変わり、今日などは、アブラゼミが大合唱して、ミンミンゼミも増えましたね。
クマゼミの声も聞こえてきました。
毎年書いている気もしますが、蝉は生き物の中でも大好きなもののひとつです。
おもに、6~7年ほど土中で暮らし、繁殖の為に地上で脱皮して3週間~1ヶ月ほど生きる昆虫ですが、
そのどこか切なさを感じる一生や儚さ、潔さ、なんとも言葉にできない風情のある生き物だと思います。

ある夜、台風なみの風が吹き、雨も混じっていたんですが、翌朝、玄関先で残念な光景を目にしました。
恐らく、脱皮している最中に上にある木から、幼虫のまま落ちて、なんとか地面で殻から這い出たものの、
うまく羽が開かなくて、絶命寸前のアブラゼミ・・・

救ってやろうにも、なにかできるわけもなく、これも自然の摂理、厳しい掟なんだよなと、心の中でつぶやきながら、
辛うじて動く彼を鉢植えの中に置いてやりました。
運が悪いとはいえ生物界の弱者ですから、カラスなどの捕食者に食べられるのも自然で、アリなどに運ばれてゆくのも自然なことですが、
どうにも感情移入してしまい、余計?なことだとわかっていても、手を出してしまいます。

こちらは、運良く脱皮に成功したんでしょう。
彼らもまた、失敗する個体がいても、数が補ってくれるので、種をつなぐことが出来ているんでしょうね。
でも、最近、住宅事情が変わり、戸建ての家には庭の代わりに広い駐車場という作りが増えてきました。
元々、土だったところをコンクリ-トなどで埋めてしまうと、土中の幼虫の栄養源となる樹木がなくなって、
みんな死んでしまいます。結局、緑がある所に移動してゆくんでしょうけど、ここでもまた人間に翻弄されていますね。
そろそろ、一生を終える蝉も目にするようになりました。
今年もベランダなどでひっくりかえっている個体が増えてきて、最後を土の上で終わらせてやりたいと、
せっせと余計なこと?をしています。
本能ゆえに、最後まで抵抗し、飛ぼうとするも、あえなく墜落してひっくりかえる・・・
何度も繰り返す姿は、一見すると、滑稽にも見えるかも知れませんが、私には彼らの姿は、とても美しく映っています。
いつもありがとうございます・・・



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